◆京都清水寺・大講堂・円通殿で10月23日、「治安維持法犠牲者慰霊祭」が行われた。堂内におごそかな演奏と読経が響き渡る下で進められた。これは、戦後六六年を経て初めての催しである。諸外国に比して、いまだ遅々として「弾圧犠牲者」への謝罪と、国家賠償を含めた名誉回復が進まない現状に一石を投じる催しである。◆恒例となっている国会への請願行動は、「大震災」などの事情により一一月九日になった。全国的に署名目標達成とその上積みが急がれる。この「署名」と「請願行動」を展開し、前進させる重要性は今さら論を待つまでもなく、国賠同盟の正面の課題である。◆とはいえ、いま治安維持法・犠牲者の物故者が増え、存命者が少なくなる下で、国賠同盟の存在意義が問われつつある。アジアに生きる日本に、かっての侵略戦争に反対した少なくない先人がいたことを顕彰し、その存在をわが国以外に明らかにすることは、国賠同盟の今日的な一つの運動方向を示唆しているのではなかろうか。◆各都道府県レペルでの取り組みを創意ある形態で広げることが必要ではないだろうか。
不屈 和歌山県版 №243 2011.11.15 (2)